私の家の近所に、朝から晩まで叫ぶおばさんが住んでいる。
叫んでる内容は、とにかく絶対に許さないということ。
調べてみると統合失調症という病気だと思われる。
我が家から子どもの声が聞こえると、絶対に許さない。
救急車やパトカー、消防車のサイレンを聞けば、絶対に許さない。
工事の音が聞こえれば、絶対に許さない。
近所の中学生がおしゃべりしながら通ると、絶対に許さない。
引っ越してからしばらくは、その叫び声への恐怖心に苦しんだ。
警察に何度連絡しても、事件が起きないと対応できないという返答だった。
夜遅くまで叫び声が聞こえ、事件が起きそうな状態だから連絡してるというのに。
スマホで叫ぶ声を録音したが、叫んでいるだけでは何も対応できないとのこと。
叫び声で精神的に苦しんでいると訴えても、対応してもらえないことにショックだった。
次に、区役所に連絡してみた。
福祉課の方によると、叫ぶおばさん自身から福祉の申請をしてもらわないと、対応できないとのことだった。
我が家の隣の方も、窓も開けられないくらい精神的に参っていたし、近所を通る方も叫ぶおばさんから、突然絶対に許さないと叫ばれたあげくに写真を撮られたそうだ。
PTAの役員を務めていたこともあり、小学校の副校長先生に相談する機会があった。
すると、叫ぶおばさんのことを周囲に気をつけましょうと注意勧告することさえ、人権侵害になりこちら側が訴えられるからできない、ということだっった。
人権。
人権を守っているようで、本当に守っているのだろうか。
何年も絶対に許さないと叫び続けているおばさんの声が、
最近は、
助けて、寂しい、聞いてほしい、ほっとかないでほしい
と聞こえる。
人権という言葉が、侵害はされないけれども、救ってくれる機会を奪っている可能性もあるんではないだろうか。
ひとりで暮らしている人が多い今、苦しんでいても家族がいなければ気づかない。自ら助けを求められる人ばかりではないのに。
今、多くの日本人は、他人の事に無関心、もしくは面倒なことは避けている。
でも、そのことが、一人一人を確実に孤独にしている。
子どもを連れていると、幸せそうに思われる。
しかし、子育て中の母はとても孤独なのだ。
きっと、サラリーマンだって、老人だって、みんな孤独なんだと思う。
孤独でいいという考えもあると思うが、私は間違っていると思う。
人間は、大昔から孤独では生きれない。現代の便利な世の中であればこそ、生きれるだけ。
人間の脳は、大昔から作りは変わっていない。
群れで生きてきた時のままだ。
みんなで助け合ってこそ、真の幸せな人生がある。
ひとりでは生きられない。
家族だけでは生きられない。
みんなで助け合わないと生きられない。
気づかないふりができるようになってしまった。
物理的に便利になってしまったからこそ、ただ生きていくことはひとりでもできるようになってしまったからこそ、気づかないふりができるようになってしまった。
親は子どもたちに迷惑をかけまいと一人で生きようとするべきでは無いし、子どもたちは自分のためだけに働くべきではない。
みんなで助け合い、助けてる方も助けられてる方も笑顔になっている世の中を子どもたちに残してあげたいと心から思う。
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